狐が風鈴を鳴らす

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ヴィンセントが教えてくれたこと 

ブログで色々感想書いていきますが基本ネタバレあります。

 

ナオミ・ワッツでべそだなぁ!最初、色気も何もないベッドシーンから始まる。

歳の離れた友情物語、は互いが互い(老人と子供)に与えるものがあって、自分を振り返り、見つめ直すところが見どころだと思う。

題名からするとヴィンセントが一方的に与えるものがあるのかな、と思ったが実際は真逆だった。オリバー君がヴィンセントに活力をあげていた。ヴィンセントはただ面白いジジイだった。

オリバーはヴィンセントの隣に引っ越してきた、母親と二人暮らしの男の子。

転校初日にさっそく虐められ、家の鍵を取られて困っていたところヴィンセントが面倒を見ることから交流が始まる。もちろん無給ではない、時給12ドルである。ヴィンセントはお金がないのだ。酒は飲むし、賭け事はする。借金を抱え、返済を迫られる。といったような状況。

ダメおやじだ。ダメダメだ。このダメさは変わることはなかった。最後までダメおやじだった。しかしヴィンセント、その類まれなるダメっぷりで周りに影響を与える。みんな自分がしっかりしなきゃ、と思うのだ。特にヴィンセントが脳卒中で倒れてからは増々そうなってゆく。

オリバーに教えたことで役立ったのは喧嘩の仕方ぐらいか。オリバー虐められているとはいえ、へなちょこなりに反撃はする。泣き寝入りをするような子ではない。全然虐められっこじゃない!

一方ヴィンセント、盗みもします。すさまじいダメっぷりです。そういえばオリバーの目の前ではしなかった。

思っていたような映画じゃないなー、と感じる。しかし面白いのは劇中の会話である。

オイルサーディンとクラッカーを出して、「スシだ」というヴィンセント。売春婦の職業を「一番正直な稼ぎ方をする女」とオリバーに説明するヴィンセント。

ヴィンセント以外の人も中々に毒を吐く。

所謂ブラックユーモア的な会話、にやにやしながら見ていた。

けれどその水面下ではヘビーな出来事もあり、最終的には全く解決していない。

ヴィンセントにもオリバーにもそれぞれ抱えている物があった。

でも、暗さが全くない。笑って映画館を後にできる。つまりそれがこの映画の魅力だ。

これはこれでいいと思う。

ビル・マーレイのダメおやじっぷりは息の臭さまで想像できるようなダメっぷりでよかった。

 

しかし映画の原題がSt.Vincent

全然邦題と違うじゃん!邦題はミスリードだよ!