常々感想記

本 映画 音楽 その他諸々の雑感を書き連ねるブログ

2016-01-01から1ヶ月間の記事一覧

アメリカ大陸のナチ文学

帯の背中に書いてある文句が「悪の輝きを放つ作家たち」。 悪の輝き、とはどんなものか。黒い光、それとも悪の意志を秘めて光ることか。輝くというより光を携えると言った方がいいのか。一体悪の輝きとは? あらすじ……といってもあらすじというあらすじがな…

フェルマータァァァァァァァァァァァァ!!!!!

指を鳴らしてみたり、メガネを指でクイッと押し上げたり、独自性を出し信号が赤になる瞬間に横断歩道を渡りきったり、足で5拍子のリズムをとってみたり、レシートを受け取るさいに絶対に小銭を重しに使わせないように努力してみたり。 ああ、ぼくもフェルマ…

グレン・グールドは語る、が何を言っているかぼくにはさっぱり

1974年8月15日発行のものと、次の8月29日、二号に渡ってローリング・ストーン誌に掲載されたグレン・グールドへのロングインタビュー記事に、補填や資料を加えた本。 グレン・グールドが自らの音楽、思想や理念をつまびらかに語るのですが……。 グレン・グー…

ワルシャワ・ゲットー

第二次世界大戦時、最大の受難者はユダヤ人だった。 彼らは排斥され、隔離され、処理された。ユダヤ人は人ではなく、羽虫のようにあっけなく命を散らしていった。奴隷以下の扱いを受け、そこを歩いていたから、という理由で殺されることはおかしくもなんとも…

深夜の人 結婚者の手記

日記や手紙、詩歌、随筆など集めて編纂した本。 素直で実直、だというのがぼくの室生犀星への印象。 彼の作品にでてくる人たちは、生きているというか鮮度が高いというか。自らの感情にいちいち理屈をつけたりしないところが好きだ。それにこの作品集は随筆…

モネ展

昨年9−12月にかけて催されていたモネ展。 こっそり参戦していたのだ。美術館で行われる企画展示はいかないこともないが、今回のモネのような芸術大家の展示は初めてである。無論美術にたいする知識は皆無! クロード・モネ フランスの画家。印象派の大家で19…

正義と法の狭間で

浜尾四郎という推理小説家がいる。 推理小説家であると同時に犯罪小説家でもある。この二つは重なりやすいし、現に大抵の推理小説家は犯罪小説家である。この二つの違いは何か。推理と犯罪。推理小説は”謎”を解明する小説で、犯罪小説は”犯罪”を解剖する小説…

白痴という差別用語?

イディオッツ。酷評される一方絶賛されもする”映画”。 監督はラース・フォン・トリアー。 この作品はきりきりと胸が痛くなる。 あらすじ 本作は、すべてロケのみで行われ、カメラは手持ち、人工的な照明は禁止条件で撮影する“ドグマ95”という映画監督集団に…

ゴースト◯◯◯◯◯

ニューヨークの幻でもなく、バスターズでもない。 ”ハンターズ”だ。ゴーストバスターズのぱちもんかと思いきや全く違う。 むしろぼくはこのハンターズの方が数段面白く観れた。 監督はジョン・カーペンター。主演カート・ラッセルのアホ映画。 このゴースト…

ベン・ハー

見たいな、と思いながら中々踏み切れなかったのはその上映時間の長さの為。 何と222分というほぼ四時間という長さ。こんなの映画の長さじゃない。2時間を超える映画ですら最近は見る気がなくなってしまう僕にとってこの映画を見ることは磔刑を受けているみた…

マイ・ファニー・レディ

”007スペクター”か”フランス組曲”を見に行こうと思っていたが、そういえばボグダノビッチの最新作やってるじゃんと思い出し、ラブコメの気分に。とにかくバカみたいな映画をみたいという欲求がメラメラと湧いて出る。 かつてコールガールをしていたハリウッ…

バレエ・メカニック

あらすじ 造形家である木根原の娘・理沙は、九年前に海辺で溺れてから深昏睡状態にある。「五番めは?」―彼を追いかけてくる幻聴と、モーツァルトの楽曲。高速道路ではありえない津波に遭遇し、各所で七本肢の巨大蜘蛛が目撃されているとも知る。担当医師の龍…