常々感想記

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ベン・ハー

見たいな、と思いながら中々踏み切れなかったのはその上映時間の長さの為。

何と222分というほぼ四時間という長さ。こんなの映画の長さじゃない。2時間を超える映画ですら最近は見る気がなくなってしまう僕にとってこの映画を見ることは磔刑を受けているみたいなものだ。

しかしここ最近あまり映画を見ていないのでなんでもいいから映画が見たいぼくはついにこのベン・ハーを観たぞ!

 

結論 面白いじゃなーい

 

あらすじ

1世紀のエルサレムイスラエルの王族の血を引く貴族ユダ・ベン・ハーは幼なじみのローマ軍人メッサラーと再会する。二人は再会を喜ぶが、メッサラーが持ちかけた出世話をベン・ハーが断った為、二人の間には亀裂が走る。

ベン・ハーの屋敷の瓦が崩落した事故を奇貨としてメッサラーはベン・ハーを逮捕し、漕手刑を言い渡す。ベン・ハーガレー船に送られる道中、乾きに苦しめられるが、不思議な男に水を飲ませてもらい、窮地を脱する。

ベン・ハーは漕手として3年間を過ごした後、マケドニア艦隊との海戦で沈没する旗艦から総司令官を救出するという殊勲を上げ、漕手刑を赦免されてローマで奴隷として戦車競走の騎手となり、連戦連勝を重ね、ローマ貴族の養子としてローマの市民権を得るまでになる。

やがてエルサレムに実母と妹を探しに戻ったベン・ハーは、仇敵メッサラーと戦車競走で相まみえる。メッサラーとの死闘を制したベン・ハーは実母と妹が疫病に侵されながらも生きていることを知るが、家族や親友を不幸にしたローマを憎み、ローマの市民権を放棄する。

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復讐劇の癖に、「俺は復讐するからな」と周りの人に言いふらすベン・ハー。普通隠すもんでしょ。自分の立場や身分は。ガレー船の奴隷にされて、幾年月も重ねたうえでの復讐なんてものはこっそり相手に近づくのがセオリーってもんでしょう。ローマ帝国の時代ということで、行き交う情報の速度が遅かったためか?それにしてもベン・ハー会う人会う人に吹聴しすぎではないだろうか。でもそのおかげで復讐を果たすことが出来た訳だし、不思議だ。

”いい人”が親しい人に裏切られ、復讐を成すというストーリーラインはありきたりではある。しかしそこにイエスキリスト誕生前後という要素が加わることでグッと重みが増した……ような気がした。

このベン・ハー、あらすじと最後の一時間見ればやりたいことわかるんじゃないか?

この復讐劇のストーリーはキリストをより神秘化するために必要なだけだったんじゃないかなぁ。復讐劇自体映画が終わる一時間ぐらい前に終わってしまうし。奇跡に感謝し、憎しみをそそぐために。

キリストは顔出し、声出しNGです。遠いところから眺めるか、後ろからのアングルかだけでしかでてこない。ま、そうだろうな。

かなり見るべきところはある。衣装、景色等々。さすがアカデミー賞11部門受賞映画なだけのことはある。でもだめだ、ちょっと長すぎ。四時間弱はなぁ。

迫力のあるこの戦車競争はスターウォーズのポッドレース、着想の元らしいよ。 

信仰って昔の人にとって大事なものだ。うーん、今だとどうなんだろ。

 

もう一回見る気には……10年ぐらいならないだろうな。