読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

狐が風鈴を鳴らす

本 映画 音楽 その他諸々の雑感を書き連ねるブログ

第三帝国の興亡

感想 読書

introduction

 

ナチスドイツは1933年からおよそ11年半存続し、ヒトラーは1945年4月30日に自害した。なぜヒトラーが権力を握るに至ったのか、そしてなぜヒトラー率いる第三帝国は滅びたのか。までを丹念に描いた本。

作者も戦争当時、ジャーナリストとしてドイツに滞在しており彼の目で見たドイツ、今では信じられないようなことが起きた当時のドイツの雰囲気を伝えてくれる。

 

author

 

ウィリアム・L・シャイラー。ジャーナリストとして、ドイツに1940年まで滞在しており、その後は戦況の悪化から本国のアメリカに帰国。オーストリアの併合や、ポーランド侵攻は現地で遭遇した人。

第二次世界大戦の特徴は豊富な資料が残されていることだった。その資料にあたり、とても長いが読み応えのあるこの本を書いた。

また、自身の経験を中心とした他の本もあるようだ。

 

 

plot summary

 

ヒトラーが1933年に首相に任命される以前、第一次世界大戦の一兵卒だった頃のヒトラーから描く。ナチ党の胎動からこの本は始まり、1945年のヒトラー自害までを区切りとして書いている本。

ドイツ内部で一体何が起こっていたのか、何がナチ党の進出を許したのか、何が第二次世界大戦を引き起こしたのか、そしてなぜホロコーストが起きてしまったのか。ナチのイデオロギーはなんだったのか。

イギリス、フランス、イタリア、ソ連、アメリカ、諸外国の海外情勢を含め、詳細に書いた本。

全5冊。長い!

 

review

 

とても読み応えのある本だった。今まで漠然としかなかった知識の肉付きが少し良くなった。もちろん完璧に把握はできなかった。それでも、その一部を知ることができたし、第二次世界対戦後の世界情勢の流れもなんとなくだが、想像できるようになった。今までは想像すらできなかったからね。

 

僕のナチスドイツについての最大の疑問、どうしてヒトラーが権力を握るに至ったのか?も詳しく書かれており非常に満足している。

彼らは合法的に権力を握ったと聞いた時から、どうやって?がものすごく気になっていた。合法的といっても、白と黒の境界線上を綱渡りしているし、ヒトラーのペテンの才能が傑出していたせいもある。と認識した。

感心していいのかわからないが、ヒトラーは権力を握るために戦略を立てていた。簡単に言えば、軍を敵に回さないこと、民衆の支持を得ること、だ。

政治家ならば民衆の支持を得ることは当たり前だが、彼は同じ政治家仲間のことは一顧だにせず、加えて人口の割合が大きい労働階級の支持を得ることに注力した。貴族や、富裕層に配慮しなかったわけではないが。

軍を的に回さないというのは、彼らを敵にするといざという時、武力で屈服させられてしまうからだ。現代とは少々事情が異なり、軍は大きな発言力と権力を持っていたため、彼らを敵にすると思うような活動ができなくなる。

ちゃんと考えてたんだなぁヒトラー

そして、ヒンデンブルク大統領により首相に任命されたところから彼の権力の掌握が本格的に始まる。

 

ドイツと同じ枢軸国側として戦争をした日本国民としては、なんでドイツと手を結んだのか、も気になっていた。

実情は、互いに都合の良い考えの押し付け合いだったようだ。ドイツも日本を信用せず、日本もドイツを信用しない、互いが勝手に戦争を始めたせいでアメリカの介入を招き、ソ連の反撃を押し返すことができず、敗北に至ったようだ。

それで同盟国と言えるのか?言えるのか。

 

ヒトラーの独裁だったナチスドイツはよく分からない決断を下すことがあったのもよくわかった。そのせいで、成功することもあったし、失敗することもあった。しかしヒトラーの最期を考えれば、彼は間違えた、ということができるだろう。

決定を翻意させようとしてもできなかったし、しようとする人物もいなかった。ヒトラーに対するクーデター、暗殺も試みられたが、誰もがなぜか他人任せ、自分が積極的に行動しようとしない。

一体何があったのだろうか。

 

全5冊のこの本の構成は以下の通り

1 アドルフ・ヒトラーの台頭

2 戦争への道

3 第二次世界大戦

4 ヨーロッパ制服

5 ナチス・ドイツの滅亡

 

この本、第二次世界対戦が起きるまでの情勢が約半分を占めている!

すげえぜ。

 

こういう本を読んでいると、学校で学ぶ歴史なんて、何か教えてくれているようで何も教えてくれていないのだなぁと思ってしまうなぁ。そんなことはないのだろうけど。歴史なんて不確かなものさー。

 

今度は「大日本帝国の興亡」を読もうと思う。

 

 

第三帝国の興亡〈1〉アドルフ・ヒトラーの台頭

第三帝国の興亡〈1〉アドルフ・ヒトラーの台頭

 

 

 

第三帝国の興亡〈2〉戦争への道

第三帝国の興亡〈2〉戦争への道

 

 

 

第三帝国の興亡〈3〉第二次世界大戦

第三帝国の興亡〈3〉第二次世界大戦

 

 

 

第三帝国の興亡〈4〉ヨーロッパ征服

第三帝国の興亡〈4〉ヨーロッパ征服

 

 

 

第三帝国の興亡5 ナチス・ドイツの滅亡

第三帝国の興亡5 ナチス・ドイツの滅亡