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クナウスゴール氏の歓迎会ーぼくは英語ができないので歓迎の意が示せないー

3月4日

ノルウェー大使館で開かれたクナウスゴール氏のイベントでは、終了後インフォーマルな歓迎会が開かれました。ささやかなもので、格式張ったものではないと。立食形式で、このイベント参加者はそのまま参加できるとのこと。

そんなもの一度も参加したことない身でありながらなんとかなるだろうと居座りつ続けます。不安はありましたけど。知り合いひとりもいないし。

椅子が片付けられ、飲みもの自由にどうぞ食べ物自由にどうぞ、と確かにフランクな感じで始まりました。だがしかし、居心地の悪さはとんでもなかった。ずっと1人でいるのに見かねたのでしょう、早川書房の担当編集の方が話し掛けてくれました。あわあわします。社会人で自分より年上で初対面の人と話す機会なんて滅多になかった、というより皆無だったかも。

本が好きなんですか?などいろいろ質問され会話を交わしていたはずですが、何を話していたかあまり覚えていません。そんな状態でした。ぼくだけを相手するわけにもいかず、編集さんは「楽しんで行ってください」と言葉を残し去って行きました。「楽しん、じゃうよ……?」さて、どうしよう。

クナウスゴール氏の歓迎会なので、もちろん氏も登場しました。やっぱり海外の方が日本より作者と読者の距離が近いのか、それともぼくが知らないだけで顔見知りなのか、クナウスゴール氏にガンガン話しかけている外人さん。写真も一緒に撮ってもらっており、押しの強さに感服しました。そうか、時には図々しさも必要なのだな、と歓迎会という場で悟るぼく。それにしても大きい。ぼくも上背はありますが、氏は肩幅も広く、まさに大きい。ぼくより身長も高いのではないでしょうか。

英語ができないので話しかけることもできず、そもそもそんな勇気も出ませんが、遠くから眺めているだけになってしまいました。それにしてもカッコイイ、ああいう風に年を取りたいナァと思いました。ヒゲが似合う男に少し憧れあります。ぼく似合わないので。

手持ち無沙汰なので出された軽食を食べ、飲みものを飲み、帰っちゃおうかなぁ〜と思っていましたが、心の奥で「金原瑞人さんと話してみたい」と思っており、その機会をこそこそ伺っていました。自分で言うのもなんですがそれはもう、痛々しい様子だったでしょう。金原さんも歓迎会に参加しており、いろいろな関係者の方々とお話ししていました。金原さん1人にならないかぁ〜とせこい考えを抱きつつ時間を過ごします。もちろん1人になるなんてことはありません。もう帰ろう、と思うぼくとこの機会を逃していいのか、と自問自答するぼく。最終的に、だされていたビールを一気飲みして顔を上気させながら赤らめながら話しかけました。

めちゃめちゃ噛んだしめちゃめちゃどもりました。

「あ、あああ、あああああの」ぼくってこんな声だっけ?と。おたおたしっ放しです。

そのとき金原さんは1人ではなく、他の方々と話されていました。割り込むのにかなり神経がはちきれそうになりましたが……。念願叶いお話しをすることができました。感激の極み。何を話していたのか、話そうとしていたのか、混乱の真っ最中。トンチンカンなことも言ってしまったと思います。

金原瑞人訳、アレックス・シアラーの”チョコレート・アンダーグラウンド”や”青空の向こう”は小学生のころ何回読んだかわからないくらいの本です。最近でもモームの本を新訳で新潮文庫から出しているのを読んだりしています。そんな人とお話しできている、ああ今日来てよかったなぁ。しみじみ思います。

 

チョコレート・アンダーグラウンド

チョコレート・アンダーグラウンド

 

 

ジゴロとジゴレット: モーム傑作選 (新潮文庫)

ジゴロとジゴレット: モーム傑作選 (新潮文庫)

 

 

 

すごく優しく話してくださり、大学生で就活中と聞くと「いいところに就職できるといいね」といってくださいました。ありがたい!

金原さんとそのとき一緒にいた方も1人は翻訳者の三辺律子さん、一人は某出版社の営業さんで、ぼくはここにいていいのだろうか?と自答しながら離れることもできず軽食のエビをむしゃむしゃ食べていました。とても失礼でしたが、三辺さんには「失礼ですがお名前は……」と訊ね、主に児童書、ヤングアダルト文学で活躍されている方と知りました。訳書、読んだことあるかなぁ、と家に帰ってから調べると読んでた……

クリス・ダレーシーの”龍の住む家”とそのシリーズ。これも結構思い出深く、小学生の頃なけなしの小遣いで買って読んだ記憶があります。あの本を訳した人だったんだ。こんな学生と言葉を交わしていただき三辺さんにもありがとうございます、の気持ちでいっぱいです。

龍のすむ家

龍のすむ家

 

 

あれ?と、今ここに翻訳者が4人もいるの?クナウスゴール氏の本を訳したお二方も含めて?それって、とんでもなくないか?とあたりを見回すぼく。海外文学好きを自認している身では翻訳者=すごい、と思っているので「なんか、すごいとこ来ちゃったよ……」と多少現実感を失いながら改めてあたりを見たり。

営業の方には、雑誌のお話しを興味深く拝聴させていただきました。タイアップ広告とか編集だけが雑誌をつくるわけではないとか、知らないことをいっぱい教えていただとても興味深かったです。帰り道も一緒になり、別れるまでいろんなお話しを聞かせていただきました。

冗談で金原さんが「翻訳者になっちゃえば?」と言われましたが、ぼくの英語の成績を知ればそんなこと冗談でも言えなかったでしょう。てへ。

 

いやぁ、クナウスゴール氏のお話が目的だったけれど、その後もとてもためになった時間でした。本当に来てよかったぁ。

ビール万歳!ビール最高!お酒ってすごいね、アルコールさまさまよ!

 

 

 

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cigareyes.hatenablog.jp