常々感想記

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「コードネームU.N.C.L.E」と「キングスマン」

文芸座で二本立て上映されていた。

"U.N.C.L.E"は見逃していたので行くしかないと。

 

キングスマン

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あらすじ

キングスマン。それは高級テイラーの名前。しかしそれは表向き、実はどんな国にも属さず、世界の平和を守り続けるスパイ組織だった……

母の再婚相手とは上手くいかず、学校にも通っていない。チンピラとしても中途半端なエグジーは友達をかばい、1人警察のお世話になる。このままだとムショ行きだぞ、警官が口を閉ざすエグジーにそう言うが、彼は「電話してもいいか」と言うだけ。

幼い頃、家を訪れたある紳士が言っていた。「困った時はこの首飾りの裏にある番号に電話をかけなさい。合言葉はー」

「ブローグではなくオックスフォード」とエグジーが言うと、「承知しました」との声が。するとたちまち釈放されるエグジー。警察を出た彼を待っていたのはスーツを着た紳士、ハリー。彼こそ首飾りをくれた人物で、キングスマンの1人だったのだ。

君のお父さんには命を救われた、恩がある。とハリーは言う。そんなこと信じられないや……とエグジー。しかしそこに警察にお世話になった理由のチンピラグループが現れ、難癖をつけるがハリーに「マナーが紳士を作る」との言葉とともにボコボコにされる。本当だったんだ、とエグジー。ちょうど新人を探していたハリーはエグジーを新人キングスマン候補としてスカウトする。

ハリーは新人募集の理由となった任務中の同僚の死を追う一方、エグジーは特訓に励む。そしてハリーはヴァレンタインという大富豪に行き当たるのだが…… 

 

スーツが主役。キャスティングもスーツが似合うかどうかでされた。

だって多分”スーツを着て戦う”ことがしたかっただけだと思う。戦闘の後でも崩れない身なりを見てるとそう思う。ひたすらにスーツが映える映画で、「スーツカッコイイな」と思ったらこの映画の勝利ではないか。またスーツの乱れ具合が、苦戦度に比例してるのが細かい。

スーツ以外の服装がかっこよくないのもそのため。キングスマンはスーツを着て世界を跳梁跋扈するのにスーツを着ての特訓はしないのね……。

確かにスーツを着て戦う絵面は面白く、素直に楽しかった。だけど敵役に魅力がなかったのが残念。自分を悪だと思っていない悪役は多々いるし、アリだけど観客にはコイツは悪いヤツと思わせなければいけないと思うんだよなぁ。その辺が勿体無い。どこかおちゃらけた軽薄な感じのサミュエル・L・ジャクソンは悪役に合わなかった。

ただ付き従っていた腹心の女部下は、まさに”腹心の女部下感”が出ててナイス!黒髪ロングというのもわかっているし、武器が義足から飛び出るサーベルというのも心くすぐる。

マイケル・ケインが好きなのだけれど、こんなになにも思わない役柄を見たのは初めてかも。驚いたのがクレジットにマーク・ハミルの名前があったこと。どこにでてた?と役柄を見る。ああー、あの人か。気づかなかったな。

 

コードネームU.N.C.L.E

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あらすじ

東西冷戦まっただ中の1960年代。アメリカCIAのNo. 1スパイ、ナポレオン・ソロは失踪したドイツ人科学者の手がかりを追うため、その娘の確保に向かう。彼女の元にたどり着いたはいいが、ソ連KGBのスパイも彼女を狙っており、始まる追走劇。彼の名前はイリヤ・クリヤキン。最年少でKGBに入隊、彼もKGBのNo. 1工作員と目されている。

なんとか逃げ切ることに成功するソロと娘ギャビーだったが、なんとCIAとKGBが手を組むことに。失踪したギャビーの父は核兵器の製造をてがけているという。それがナチ残党に渡りでもしたら……。ここはいがみ合っている場合じゃない、アメリカとソ連は手を組んで、ナチ残党を追うことになるが現場のソロとクーリャは任務とはいえいい気がしない。ギャビーも作戦に参加することになるが……。

この2人大丈夫か?

 

いいアクション映画だった。太鼓判を押してお勧めしたい気持ち。

おしゃれでスタイリッシュなスパイ”コメディ”。アクション要素強めの、なんて。

流れる音楽、粋な演出。いや楽しい映画だった。

 

時代背景を簡単にでも抑えると面白さは倍増するはず。冷戦まっただ中のアメリカとソ連なんて仲が悪いなんて言えるレベルじゃない。それが手を組んでうまくいくだろうか。

この2人のスパイ元々の性質もあるだろうが反目しあう2人、粋なセリフを添えて、は面白い。 ソロは優雅で上品。クーリャは筋骨隆々で野性的といった印象。もちろん2人とも一流だからあらゆることに通じているのだが、多少の能力の優劣はそこに現れる。冒頭の追走劇を見れば、すごいスパイなんだなぁ、と思える。しかしどこか憎めないすっとぼけた失敗もする。お上手!

『シャーロックホームズ』を見た人ならすぐわかるだろう。アクションの演出の凝りっぷり。どんな風にカッコよく見せるか、を大事にしている。今回それがツボにはまる。特にクーリャが敵に追われ、ボートで逃げている最中、ソロはワインとサンドイッチをのんびり楽しんでいるところ。可笑しかったぁ〜。流れている音楽がアホくささを際立たせているというか、好きだなぁ。

クーリャもいい顔している。常にブスッとしている感じ。今後注目俳優ですね。

ギャビー役の人もいいなぁ。可愛い。

仕方ないのはピンチ感の薄さ。アメリカとソ連それぞれの最強スパイがことに当たっているからどうしてもピンチだ!とは思えない。どうしても「なんとかなるでしょ」と思っちゃう。展開的にそうきた?と驚いたところはあったけど。

アクションもしっかりしていながら、笑えるところも多い洒落た映画。

息抜きにいい一本ではないだろうか。

Blu-ray買おうかなどうしようかな……。