狐が風鈴を鳴らす

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マイ・ファニー・レディ

”007スペクター”か”フランス組曲”を見に行こうと思っていたが、そういえばボグダノビッチの最新作やってるじゃんと思い出し、ラブコメの気分に。とにかくバカみたいな映画をみたいという欲求がメラメラと湧いて出る。

 

かつてコールガールをしていたハリウッドスターのイージーは、偶然に出会った演出家アーノルドから「君の将来のために三万ドルをプレゼントする」という奇妙な申し出をされ、人生が一変した日を振り返る……。アーノルドの妻デルタが主演する舞台のオーディションを受けるイジー、デルタに好意を寄せるスター俳優、イジーに一目惚れする脚本家、その恋人で“人の話を聞かない”セラピスト……。はたしてアーノルドの舞台は無事に初日を迎えることができるのか……。

 

 

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ブコメだが、ラブとコメが2:8。新年早々大いに笑わせてもらった。すでに今年一番のコメディ映画の予感。とにかく小気味いいテンポで話が進む。イージーの四年前の回想といった体で話が語られるが、これがなかったら人間関係にうんざりしそう。こういうところさすがボグダノビッチというところか。

娼婦のことをミューズ(女神)と言い張る主役のイジーを始め、そのイジーにつきまとう老人判事や、その他もろもろ。ちらっと出てくる脇役にも注目。

とにかく人間関係の発散と収束。多くはない登場人物の特徴をうまく組み合わせておかしい喜劇に仕立て上げている。奇人、変人のオンパレードのスクリューボール・コメディー。腹を抱えることが何回もあった。予想以上。1930〜40年代の同作品群へのオマージュが随所にちりばめられているそうだが、あまりわからなかった。あのタクシーのシーンは絶対なんかのオマージュだと思うんだけど。誰か詳しい人に解説してほしい。スクリューボール・コメディという呼称も今回この映画を見るに当たって意味を知ったし。”或る夜の出来事”と”フィラデルフィア物語”もこのジャンルに入るのね。他のも見てみたいな。

上質なコントをみているみたい。反復と毒のある言葉。大人のヤキが回った姿ってどうしてこうも面白いんだろうか。同じような構図が多いのはわざとだろう。構図は同じでもそこにいる人物が違うと、違う場面になる。ついニヤニヤしちゃう。いやはや人っていろんな顔を使い分けるなぁ。

ブコメだが、コメディ要素の方が圧倒的に多い。劇場内で笑い声も聞くことができた。結末もさっぱりしたものだったし、好きなラブコメ映画の一本になりそう。

最後にお前が出てくるのかよというカメオ出演。どこかでみたような……と劇場を出た後に思い出す。お前かよ……。

イジー役のイモージェン・ブーツには今後注目していきたい。やっぱりブロンドに弱いみたいです、ぼく。彼女は今後活躍するね!間違いないよ!

13年ぶりの新作でこんな映画を作るボグダノビッチはすごい。久しぶりに作る作品っていうのは気合入りすぎて、どうしても感動させたがり、劇的なシーンを入れたがりになりがちだと思うのだけれど、そんなこと全くなかったもんね。その分のエネルギーをオマージュに捧げたということなのか。

 

すごく楽しかったので、笑いたい人にはオススメしたい映画です。