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狐が風鈴を鳴らす

本 映画 音楽 その他諸々の雑感を書き連ねるブログ

インドとの距離の概算

最近バタバタしていて中々更新出来ずにいたけれど相変わらず本読んだり映画見たりはしています。

しかし今日はちょっと趣向を変え、旅行記的なものを。一年ほど前の旅行ですが。書く気になったのは今週の火曜、12/8付の日本経済新聞の一面見出し。

インドに日本の新幹線が進出するといったものでした。なんでもこれで円借款額、インドが一番になるらしいです。借款って何なんですか。借金みたいなもんですか。

インドに新幹線が……。これは大変だ!そう、一年ほど前にインドに行ってきたのです。その時しばしば利用していたのが列車。電車というより列車という方がしっくりきますな。驚きの波状攻撃だったインドですが、その中でも列車は印象が強いです。そのときのことを色々思い出したので、フラッシュバックというべきか。

 

・インドにて、初めて寝台列車に乗るも寝台の位置を間違える

 

初めて乗ったのはジャイプール。ここまで来るのにも様々なことを乗り越えてきました。が、列車での移動は初めて。空港から市内の移動は列車でしたが、あまり日本のものとそこは変わりなかったので、実質インドでの乗車は初めてと言っていいでしょう。時刻は夜の十時前、だったように思います。

その日は日中、ドライバーについてもらい、車での市内観光で、列車に乗るのにもそのドライバーに率いてもらいました。このドライバーもがめつい野郎でした……。

さてホームにはインド人がいっぱい。寝てたり、座り込んだり。では自分も……という訳にはいかず、日本からの1人での旅行者なんていいカモですからね。大きいバックパック背負って、のほほんとした顔でいるとやつら甘言でこちらを惑わしてきますから。列車の時間まで一時間はあります。

辺りを見渡しながらのんびり待ちます。駅にいるのですが、市内は暗い。というかあたり暗い。夜は暗いということを思い出しました。身に着けているのは衣服だけ、と言ったオッチャンや家族なのか数人固まっている人々。ビーチサンダルを枕にして(マジです)寝ている人。飽きずに眺めていられましたが、それでも遅いな……と感じ始めた。結局二時間近く遅れてこの列車は到着した。さすがに遅いよ。

 

ホームの様子

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そして昼間案内役を務めたドライバーが席まで案内してくれます。

「ココダヨ」最後に握手を交わして彼は去り、荷物をおろし、狭いながらゆっくりしようと腰を落ち着けていると、ある外国人女性が。乗車券と座席番号を見比べています。「そこ私の場所」ええ?ドライバーがここだって言ったよ?よく見てみると彼女の席はぼくの上の場所でした。ほっと安心。しかし彼女の場所であるはずのその寝台はインド人のおっさんが爆睡していました。関係ねーやと荷物の整理をするぼく。

おっさんがしぶしぶといった体で這い出てきます。この寝台はすごく狭い。三段になっていて、一番上なんか天井まで、鼻を突き合わせるみたいな感じです。そこから不機嫌そうにおっさん登場。「なんだよ」「そこはわたしの場所です」みたいな会話をしていたのでしょう。われ関せず。黙々と自分の属領づくりに専念します。すると

「そこおれのせき」なんということでしょう。おっさんの乗車位置はぼくのだと思われていた席だったのです。おっさんも間違えていたのです。心なしか、外人女性が笑っているように見えました。その金髪むしりとってやろうか、ああ?

ぼくはいそいそと広げた荷物をかき集め、惨めに退散します。

今度会ったらあのドライバーぶっ飛ばす。と心に誓って。

さて急いで自分の乗車位置に向かわねばなりません。インドの列車は車両間がつながっていないので、一度走り出したら移動はできないのです。もし、自分の寝台がない車両に乗り込んでしまったら……。ぼくはホームを駆け回りました。どこだ!どこにある!あの禿ドライバー、舐めた真似しやがって。クソ!ホーム上に人影はありません。もうすぐ発射です。このインド列車、乗車券に座席番号は明記されています。なのにどうしてそこまで迷う?それは座席番号が列車本体に紙で張り紙してあるだけだからさ!

等級と座席番号、乗車口のすぐ脇にセロハンで紙が一枚。これをもとに座席を探さねばならない。しかも列車は長い。15車両ぐらいはあったはず。もう泣きそう。

あああ、もう出ちゃう。仕方ないのでそれっぽいのに乗り込みます。列車は走り出します。この車両になかったらもう仕舞だ……。ゆっくりと見て行きます。違う、違う、違う……。あ、ああ……あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!

 

このときほど己の運命を呪ったことはありません。異国の地、一人、寝場所を失う。もうやだ……。どうしよう、どうしよう。廊下で寝る?いや狭すぎて寝れない。え?もしかして半日ぐらい立ちっぱなし?嘘でしょ?泣くよ?ドライバー兼ガイドの禿野郎を呪殺しようとしました。

呆然と廊下、しまい切れていない荷物を手に抱え、大きいバックパックを背負い、あまりのやるせなさに昇天しそうになっていると「どうしたの?」一人のインド人男性が声を掛けてくれました。

いやこういう訳でしてね……もう、どうにかなっちゃえって感じなんですよ。とたどたどしい英語で伝えます。するとなんということでしょう。「ここ、空いているからここで寝ればいいよ」

もう一度言ってもらっていいですか?

 

彼の隣の寝台は空いているらしく、ここに寝ちゃえばいいよ。とのこと。いいんですかねーと不安だったので聞くと「ああ、車掌に言えばおk」ええ?言うの?「乗車券を確認しに車掌くるからその時に言えばいいさ、ぼくが言ってあげるよ」あなたは涅槃の境地に達している。友愛を兼ね備えている真の菩薩……。

そして彼は話を通してくれ、ぼくはすやすやと眠ることができました。

 

最終的に寝たところ

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ぼくの寝ている間に彼は降車したらしく、目を覚ましたらいませんでした。ありがとう!名も知らぬ男性。もう顔も思い出せないけれど、ぼくは生涯あなたに感謝します。インド人にもいい人はいるんだよ。

 

ほかにも列車にかんするお話はあります。

みんなもインドの列車が新幹線になる前に乗りに行ってみよう。楽しいですよ。

まあ全線新幹線になるわけでもないでしょうが、やっぱり変化することは避けられないと思うので。れっつごーインディア。