常々感想記

本 映画 音楽 その他諸々の雑感を書き連ねるブログ

デジモンを待ちながら(デジモンアドベンチャーtri第2章決意 感想)

「つまらない……」 見終わって最初にいった言葉。苦笑いしながらいったけれど、内心はひどくがっかりしていて、失望を通り越し、そして怒りにまで達しようとしていた。 さあここからは貶しに貶すぞ。めっちゃ悪口いってやるよ!だってつまらなかったんだもん…

クナウスゴール氏の歓迎会ーぼくは英語ができないので歓迎の意が示せないー

3月4日 ノルウェー大使館で開かれたクナウスゴール氏のイベントでは、終了後インフォーマルな歓迎会が開かれました。ささやかなもので、格式張ったものではないと。立食形式で、このイベント参加者はそのまま参加できるとのこと。 そんなもの一度も参加し…

徒然なるままに 「クナウスゴール語るー『わが闘争 父の死』、ノルウェー文学、そして世界」

2016.03.04 18:56 開始時刻寸前に目的地に到着。その割に席が埋りきっておらず、(隅っこは埋まっているが真ん中の方は人と隣あわせにならずに座れてしまう程度)一息ついていそいそと座る。オーロラホールという大仰な名前とは裏腹に、小ぶりのホール。しか…

ホワイト・ジャズ

暴力/腐敗/権力/政治/麻薬/密告/恐喝 言えることはひとつ。 エルロイはぶっ飛んでいる。 吐くのは保身のため、遠慮なく自らのために情報を売り流す。ここじゃあ誰彼だって俗に言う犯罪まがいのことはしているんだ。そんなところで我が身を大切にしなけ…

アンダーグラウンド 

テッテッテーテ・テッテッテーテ・テッテッテーテ・テッテッテーテブパパパブパパパブパパパブパパパテェレーンテェレーンテェレーンテェレーンテッテッテ…… 日常/戦争、響く音楽、踊れよ踊れ。ぼくらはみんな一生懸命。つまり喜劇。 あらすじ 1941年4月6日…

オデッセイ

マット・デイモンが全て マーク・ワトニー=マット・デイモン、になった時映画は完成した。 あらすじ NASAの有人火星探査計画、アレス3のクルーは大規模な砂嵐によって火星でのミッションを放棄。退避する途中、クルーのひとりマーク・ワトニーにアンテナが…

クロニクル・アラウンド・ザ・クロック

小説で音楽を扱うことは難しい。音は文字に置き換えることはできない。音楽をメインに据えるということはそれだけで水の中で息をしようとするようなものだろう。 『クロニクル・アラウンド・ザ・クロック』略してクロクロ。 あらすじ 幼稚で痛々しいわたしの…

コンドル(1975)

R・レッドフォード主演のポリティカルサスペンス。 これを面白いと思ったら大人。 あらすじ ジョセフ・ターナーはCIAの分析官。仕事は世界中で出版されている本や雑誌を読み、情報分析を行うこと。所属している第17部9課は、アメリカ文学史協会として表向き…

「コードネームU.N.C.L.E」と「キングスマン」

文芸座で二本立て上映されていた。 "U.N.C.L.E"は見逃していたので行くしかないと。 キングスマン あらすじ キングスマン。それは高級テイラーの名前。しかしそれは表向き、実はどんな国にも属さず、世界の平和を守り続けるスパイ組織だった…… 母の再婚相手…

アメリカ大陸のナチ文学

帯の背中に書いてある文句が「悪の輝きを放つ作家たち」。 悪の輝き、とはどんなものか。黒い光、それとも悪の意志を秘めて光ることか。輝くというより光を携えると言った方がいいのか。一体悪の輝きとは? あらすじ……といってもあらすじというあらすじがな…

フェルマータァァァァァァァァァァァァ!!!!!

指を鳴らしてみたり、メガネを指でクイッと押し上げたり、独自性を出し信号が赤になる瞬間に横断歩道を渡りきったり、足で5拍子のリズムをとってみたり、レシートを受け取るさいに絶対に小銭を重しに使わせないように努力してみたり。 ああ、ぼくもフェルマ…

グレン・グールドは語る、が何を言っているかぼくにはさっぱり

1974年8月15日発行のものと、次の8月29日、二号に渡ってローリング・ストーン誌に掲載されたグレン・グールドへのロングインタビュー記事に、補填や資料を加えた本。 グレン・グールドが自らの音楽、思想や理念をつまびらかに語るのですが……。 グレン・グー…

ワルシャワ・ゲットー

第二次世界大戦時、最大の受難者はユダヤ人だった。 彼らは排斥され、隔離され、処理された。ユダヤ人は人ではなく、羽虫のようにあっけなく命を散らしていった。奴隷以下の扱いを受け、そこを歩いていたから、という理由で殺されることはおかしくもなんとも…

深夜の人 結婚者の手記

日記や手紙、詩歌、随筆など集めて編纂した本。 素直で実直、だというのがぼくの室生犀星への印象。 彼の作品にでてくる人たちは、生きているというか鮮度が高いというか。自らの感情にいちいち理屈をつけたりしないところが好きだ。それにこの作品集は随筆…

モネ展

昨年9−12月にかけて催されていたモネ展。 こっそり参戦していたのだ。美術館で行われる企画展示はいかないこともないが、今回のモネのような芸術大家の展示は初めてである。無論美術にたいする知識は皆無! クロード・モネ フランスの画家。印象派の大家で19…

正義と法の狭間で

浜尾四郎という推理小説家がいる。 推理小説家であると同時に犯罪小説家でもある。この二つは重なりやすいし、現に大抵の推理小説家は犯罪小説家である。この二つの違いは何か。推理と犯罪。推理小説は”謎”を解明する小説で、犯罪小説は”犯罪”を解剖する小説…

白痴という差別用語?

イディオッツ。酷評される一方絶賛されもする”映画”。 監督はラース・フォン・トリアー。 この作品はきりきりと胸が痛くなる。 あらすじ 本作は、すべてロケのみで行われ、カメラは手持ち、人工的な照明は禁止条件で撮影する“ドグマ95”という映画監督集団に…

ゴースト◯◯◯◯◯

ニューヨークの幻でもなく、バスターズでもない。 ”ハンターズ”だ。ゴーストバスターズのぱちもんかと思いきや全く違う。 むしろぼくはこのハンターズの方が数段面白く観れた。 監督はジョン・カーペンター。主演カート・ラッセルのアホ映画。 このゴースト…

ベン・ハー

見たいな、と思いながら中々踏み切れなかったのはその上映時間の長さの為。 何と222分というほぼ四時間という長さ。こんなの映画の長さじゃない。2時間を超える映画ですら最近は見る気がなくなってしまう僕にとってこの映画を見ることは磔刑を受けているみた…

マイ・ファニー・レディ

”007スペクター”か”フランス組曲”を見に行こうと思っていたが、そういえばボグダノビッチの最新作やってるじゃんと思い出し、ラブコメの気分に。とにかくバカみたいな映画をみたいという欲求がメラメラと湧いて出る。 かつてコールガールをしていたハリウッ…

バレエ・メカニック

あらすじ 造形家である木根原の娘・理沙は、九年前に海辺で溺れてから深昏睡状態にある。「五番めは?」―彼を追いかけてくる幻聴と、モーツァルトの楽曲。高速道路ではありえない津波に遭遇し、各所で七本肢の巨大蜘蛛が目撃されているとも知る。担当医師の龍…

また会う日まで

「トランクスとブラには、見覚えはあるけど」 「こいつも悲しいんでしょう」 「辞めて惜しい仕事じゃない」 「おれには息子がいる!」 一年が終わる。 今年読んだ本の中で、心を打った本は数多くあるが、その中でもとびきりなもの、ほのかに発光する、本の感…

りら荘事件

推理小説を最近読んでいないことに気がついた。じゃあ久しぶりに何か読んでみようと思って手に取ったのは鮎川哲也の”りら荘事件”。一気呵成に読みきりたかったから、時間が空くのを待っていたら読み始めるのに買ってから少し時間が空いてしまった。読み始め…

すべてがHになる

・ぼくの知らない世界 表参道。JR原宿駅近くから根津美術館の辺りまで伸びている。そこは主にファッション関係の店舗が多い。店舗名は欧米表記ばかり、現に外国のブランドが多数ある。それも表参道という場の雰囲気づくりに役立っているのだろう。 根津美…

インドとの距離の概算

最近バタバタしていて中々更新出来ずにいたけれど相変わらず本読んだり映画見たりはしています。 しかし今日はちょっと趣向を変え、旅行記的なものを。一年ほど前の旅行ですが。書く気になったのは今週の火曜、12/8付の日本経済新聞の一面見出し。 インドに…

流せよその涙、とデジモンは言った

観てきましたよ、デジモン。 面白かったです、がこの面白さが曲者で素直に受け入れていいものかどうか。 デジモン放映当時、ぼくは小学校低学年、そうまさに世代ぴったしなのです。”デジモンアドベンチャー”が放映したのが1999‐2000年だということで、そこか…

わたしの名前は……

ハイウェイを走る大きなトラックは橙色。ハイウェイの地平線の向こうは、空は蒼。 道路の脇には木々が疎らに居座っていて、その根元には肌に触れるとちくちくしそうな雑草が生えている。 鮮やかでありながらありふれた光景。 Agnes`bというファッションブラ…

聖なる怠け者の映画祭

大仰な名前を付けているが要するに見たい映画がいっぱいあるのでここしばらく映画館通いをしようということ。そう一人映画祭(えいがさい、でなくえいがまつり)である。ここにぼくの名を以て開会を、宣言する!どんどんぱふぱふー。 ラインナップは わたし…

ハーモニー(映画)

………………?????? どうしてこうなった? これは、恋愛映画になっている。 色々戸惑って正直わけわからないと思ったこの映画。 わからないのは改変した理由ではなく、動機です。何故そうしたかの根っこの部分がさっぱりわからんのです。 あらすじ 大災禍と…

ハーモニー

ユートピアであり、ディストピア 個を差し出して、得られた代替物は平穏と健康 「自分のカラダが、奴らの言葉に置き換えられていくなんて、そんなことに我慢できる……」 「わたしは、まっぴらよ」*1 ぼくにSFとは、を教えてくれた本。といってもSFにも多種多…